みかた式発音絵記号を用いたフォニックス指導

みかた式発音絵記号とは

「みかた式発音絵記号」とは、英語の読みが苦手な生徒へのアルファベットの音素(生徒には「アブクドゥ読み」と言っていた)の指導用教材です。

手がかりとなる言葉の語頭音からアルファベットの音素をイメージしやすくするもので、平成26年秋、高校受検までに残り数か月で出会った生徒さんへの指導を工夫する中で、発案できたものです。

音をイメージする手がかり語は、子ども自身が知っている言葉であることが大切だと考え、英単語にこだわらず、日本語の言葉も用いています。

手掛かり語は指導を受ける子供にとってなじみのあるものがよいと考え、当初は、個々の子ども用に相談して決定していました。

今日では、指導を重ねる中で、小中学生に一般的になじみのある語に定着してきたので、子音用、母音用合わせて、70弱の「発音絵記号」を用いています。絵もイラストレーターに依頼し、令和3年2月、実用新案に登録しております。

アルファベットの小文字や二文字子音の音を覚える段階では、手がかり語の絵とアルファベットの文字の形をできるだけ関連付ける工夫をしています。

みかた式発音絵記号を用いたフォニックス指導とは

筆者(佐佐木 瑠美子)は、平成22年度~28年度の7年間、中学校の通級指導教室担当をしていました。

通級を利用していた生徒たちの多くが、英語の読み書きに苦労していましたので、効果的なフォニックス指導を模索していました。

読みが苦手なLDの子たちにとっては、デコーディング(文字と音の連合)が難しいので、英単語を読む際の最も基盤となるアルファベットの音素の習得からつまづいてしまいます。

小文字カードを使用して、フラッシュカード式で何回も繰り返し指導しても覚えられないようでした。

そのような中、平成26年秋、その子たちの認知特性の強みを生かした「発音絵記号」を閃きました。

その効果的だったこと!

アルファベット26文字の音素は、1単位時間で覚えてしまいます。それ以後の指導では、発音絵記号を用いることによって音素がイメージしやすいので、子音と母音のブレンディングを自分でしようとしたり、文字を音に変えながら単語を読もうとします。

短期記憶の苦手さに配慮して、復習を意図的に組み入れることは、指導者側の留意点です。

文字で英単語の読みを練習する際には、子供が苦戦する母音や二文字子音などに発音絵記号を小さく添え、読みを助けます。アクセントの位置、黙字などは、ヒントとなる記号を付けて示すよう工夫しました。

母音の分類などフォニックスの指導の理論そのものは、田尻吾郎先生の実践を大いに参考にさせていただきました。

単語の読みの指導方略がほぼ固まってきた2019年、村井敏宏先生らの協力を得て、日本LD学会の自主シンポジウムで発表させていただきました。

決して、ネイティブの発音を習得させることをめざしているのものではありません。英語LDの子たちが読みを諦めてしまわないように、少しでも役立ってくれることを願っています。

英語LDの子どもたちの認知特性や学校生活の様子